肉を扱う日に差がつきやすい作業を順番に並べ直して見えた実習の優先順位
肉を扱う日に手際の差が生まれてしまう場面
肉を扱う実習の日は、同じ材料を渡されているのに、班ごとの進み方の差が大きく開いていきます。早く仕上がる班を見ていると、切りはじめる前にどこまで支度を終えているかが違うと分かってきます。
最初に差がつくのは、受け皿と布巾と包丁を置く位置をあらかじめ決めてあるかどうかという地味な点です。置き場が決まっていない班は、手を伸ばすたびに視線が泳いでしまい、そのたびに動きが止まります。
次に差が出るのは、切り分ける前に仕上がりの形をどこまで思い描けているかというところでした。どの大きさで何切れ必要かを先に決めておいた班は、途中で数を数え直す手間が生まれていません。
三つ目に差が出たのは、焼く道具を温めはじめる時期を、切る作業と重ねられているかどうかです。切り終えてから道具に向かう班は、そこで待ち時間が生まれてしまい、全体の流れが伸びていきます。
先に片づけるべき作業を順番に並べ直した記録
順番を並べ直してみると、最も先に片づけるべきなのは道具と置き場を決める支度だと分かりました。この支度に時間をかけた班ほど、後の工程で迷いがなくなり、結果として早く仕上がっていたからです。
二番目に置きたいのは、仕上がりの形と数を紙に書き出して、班の全員で見えるようにする作業です。頭の中だけで共有しようとすると、途中で認識がずれてしまい、切り直しが起きる場面が出てきます。
三番目に来るのが、火にかける道具の支度と切り分けを同じ時間帯へ重ねるという段取りの工夫です。待ち時間をどこに置くかを決めておくと、班の誰かが手持ちぶさたになる時間が目に見えて減ります。
最後に置かれるのが洗い物と台を戻す作業で、調理師専門学校ではここまでを一続きで見ています。資格の実技でも片づけまでが課題に含まれるため、料理の腕とあわせて段取りの力が問われています。
まとめ
肉を扱う日にできた差は、包丁の切れ味や腕の力ではなく、どの作業を先に置いたかの違いから生まれていました。順番の付け方ひとつで、同じ時間の使い方がこれほど変わるのかと、並べ直してみてあらためて驚かされました。
上位に来る作業ほど地味で、支度や書き出しといった、材料に触れない工程が前のほうに並ぶ形になっています。見栄えのする工程を先に持ってきたくなる気持ちを抑えられるかどうかが、班ごとの差になっていたのだと思います。
次に肉を扱う日が来たら、まず作業を紙の上で順に並べてから、台の前に立ってみることをおすすめしたいです。並べ直した順番どおりに手が動くようになれば、時間に追われる感覚が薄れて、仕上がりまで落ち着いていられます。