実習より長く感じた調理師専門学校の厨房の掃除の徹底ぶりを在校生が明かす裏側
調理を終えてからが本番といわれる片付けの実態
調理師専門学校に入学した学生の多くが驚くのは、料理を作る時間と同じくらい、あるいはそれ以上に掃除へ時間を割くという実態です。実習の終わりに行う片付けのほうが長く感じられたと打ち明ける在校生もいるほど、厨房の掃除は徹底して行われています。
片付けは使った鍋や包丁を洗うだけでは終わらず、こんろの五徳や換気扇の下、作業台の裏側まで手を入れて汚れを落としていきます。油汚れは時間がたつと固まって落ちにくくなるため、その日のうちに洗剤と湯で丁寧に取り除くことが当たり前とされています。
掃除の担当は班ごとに割り振られることが多く、最後に講師が点検して不十分な箇所があればやり直しになることも珍しくありません。最初は厳しく感じるものですが、点検を通すたびに仲間と達成感を分かち合えるため、班の結束が強まるきっかけにもなります。
正直なところ、入学前は掃除を料理の付け足しのように考えていたという学生も多く、その意識が変わるまでには少し時間がかかります。しかし毎日の繰り返しの中で、整った厨房でこそ落ち着いて料理ができると実感し、掃除への見方が大きく変わっていくのです。
床や排水口まで磨き上げる理由と身につく力
床や排水口まで磨き上げるのは、そこに残った食べかすや油が虫や菌の発生源となり、食中毒の原因になりうるからです。目に見える場所だけでなく、普段は意識しない隅の汚れにまで気を配ることが、厨房全体の衛生を守るために欠かせない姿勢とされています。
掃除の徹底は、調理師の資格を取るために学ぶ食品衛生の知識を、実際の行動に落とし込む場としての役割も担っています。教科書で学んだ菌の性質や消毒の方法が、毎日の掃除の中で具体的な手順として繰り返されるため、知識が体に定着しやすくなります。
道具を元の場所に戻す、洗剤の量を守るといった細かな決まりを守り続けることで、次に使う人への思いやりも自然と育っていきます。共有の厨房を気持ちよく使うための心配りは、多くの人が働く現場でも求められる力であり、就職後の大きな強みとなります。
掃除を徹底する習慣が身についた学生は、作業中にもこまめに片付けながら料理を進められるようになり、仕事の段取りもよくなっていきます。きれいな厨房から生まれる料理は食べる人に安心を届けるものであり、掃除の時間はその安心を支える大切な仕事なのです。
まとめ
調理師専門学校の厨房の掃除は、こんろの五徳から床や排水口まで及び、講師の点検を受けるほど徹底して行われているのが実態です。最初は戸惑う学生も多いものの、整った環境でこそ落ち着いて料理ができると実感するにつれて、掃除への見方は前向きに変わっていきます。
掃除の徹底は、食品衛生の知識を行動に変え、仲間への思いやりや段取りの力まで育ててくれる、料理人にとって欠かせない学びの時間です。入学を考えている方は、家庭でも調理のあとにこんろ周りまで拭き上げる習慣をつけておくと、実習にもすぐなじめるようになるでしょう。