実習の終わりに待っている掃除の細かさを入学する前は知らなかった正直な話
料理を作る時間より長く感じた片づけの時間割
入学する前の自分は、実習と聞いて、材料に触れている時間ばかりを思い描いていたように思います。実際に通いはじめてみると、火を止めたあとから始まる片づけの時間の長さに、まず驚かされました。
台の上を拭くだけで終わりではなく、台の下や脚の付け根まで手を入れる決まりになっていました。目に入りにくい場所ほど後回しにされやすいので、そこを先に片づける順番だと教えられています。
床の掃き方についても決まった向きがあり、隅から中央へ寄せてからまとめて集める形を取っています。自分の判断で向きを変えてしまうと、隣の人が終えた場所へ戻してしまうことになってしまいます。
使った道具は洗って終わりではなく、水気を拭いてから決められた向きに置くところまでが片づけです。向きがそろっていないと、次に使う人が探す時間が生まれてしまうという理由があると教わりました。
点検の順路まで決まっていると知ったときの驚き
片づけが一通り終わると、当番の人が決められた順路をたどって、抜けがないかを点検して回ります。順路まで決まっていると知ったときには、そこまでするのかと正直なところ驚きを隠せませんでした。
点検で見つかった箇所は、その場で直したうえで、次の日の始めに全員へ共有される形になります。誰かを責めるためではなく、同じ見落としが続かないようにするための時間だと説明を受けています。
最初のころは早く帰りたい気持ちが先に立ち、この時間を長く感じてしまったことも正直ありました。けれども続けているうちに、翌日の始まりがそろっている心地よさのほうが強く感じられてきました。
調理師専門学校が片づけをここまで徹底するのは、資格を得た先の現場が同じ形だからだそうです。料理を作る力と場を元へ戻す力は、切り離せないものとして数えられているのだと分かってきました。
まとめ
打ち明けてしまえば、入学した当初は、掃除の細かさに納得がいかないまま手を動かしていた時期がありました。それでも回数を重ねるにつれて、片づいた台から始まる一日の軽さのほうを、はっきりと感じるようになりました。
台の下から始める、床は隅から寄せる、道具は向きをそろえるという決まりには、どれにもはっきりした理由がありました。理由を知らないまま従っていたころと、分かったうえで手を動かす今とでは、同じ作業でも見え方がまるで違います。
これから通う人には、片づけの時間までも学びの一部として数えられていると、先に知っておいてほしいと思います。戻すところまでを含めてひと続きだと考えられるようになれば、実習の一日が最後まで落ち着いて進んでいきます。