魚をおろす日は手を止めずに最後まで進めてほしい実習台の上での心構え

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魚をおろす日の朝に整えておきたい手元の支度

魚をおろす実習のある日は、教室に入った時点から空気が違っていて、誰もが黙って支度を始めます。刃の重い包丁と受け皿と布巾を、使う順番のとおりに並べてから、はじめて台の前に立つことになります。

まずは板の上での魚の向きを決めるところからで、頭をどちら側へ置くかを迷わないようにしておきます。向きが決まっていれば、体の使い方も自然と決まってくるため、途中で持ち替える回数が減っていきます。

うろこを落とす場面では、尾のほうから逆らうように動かし、力ではなく角度で落とすように教わります。力任せに進めてしまうと身の表面を傷めてしまうので、手首の向きだけを意識するようにと言われました。

包丁を入れる前に、指先で背骨の通り道を確かめておくと、刃を進める道筋が頭の中に浮かんできます。確かめずに刃を当ててしまうと、途中で骨に当たって迷いが出てしまい、そこから切り口が乱れてきます。

途中で手を止めずに最後まで進めてほしい理由

一度刃を入れたら、思うようにいかない場面が来ても、そのまま最後まで進めてほしいと伝えられます。途中で止めて考え込むほど身は水を吸って崩れやすくなり、直そうとするほど形が遠のいてしまいます。

うまくいかなかった一尾も、包丁の入り方を確かめる材料としてはとても役に立つと教わっています。切り口を見れば、どこで刃が寝てしまったのかが分かるので、次の一尾で直す点がはっきりしてきます。

班で分け合って進める日は、洗う人と拭く人と次を運ぶ人を決めておくと、手が止まらずに回ります。自分の一尾が終わったら、そこで気を抜かずに、隣の作業へ手を貸す動きまで含めて評価されています。

調理師専門学校の実技では、この工程が資格の課題にもつながっていくと繰り返し説明を受けました。魚に向き合った時間の長さが、そのまま料理を組み立てるときの手の落ち着きに表れてくると感じます。

まとめ

魚をおろす日は、朝の支度から片づけまでの流れがひと続きになっていて、途中で気を抜ける場面がありません。だからこそ、始める前に道具と向きを決めておき、迷いの入り込む余地を減らしておいてほしいと思っています。

手が思うように動かない日も来ますが、そこで立ち止まらずに最後まで進めきることを大事にしてほしいものです。仕上がった形よりも、止まらずに刃を運びきった経験のほうが、次の一尾を前にしたときに効いてくるからです。

何尾かを終えたあとで切り口を並べて見比べてみれば、自分の癖がどこに出ているのかが必ず見えてくるはずです。見えてきた癖をひとつずつ直していけば、重い包丁もいつのまにか手になじんでくるので、あきらめずに続けてみてください。

Goffredo